角谷香織&大山貴子

八百屋Gg's/株式会社fog 

■お1人目のゲスト:角谷香織(八百屋「Gg's」主宰)
1988年、京都市生まれ。
京都大学大学院工学研究科建築学専攻、修士課程修了。
東日本大地震の後、風評被害と向き合う農家の想いに触れ、農家を伝えるGg’sを立ち上げる。
地元京都の農家の手伝いをする中で「振り売り」と呼ばれる伝統的な販売方法に興味を持ち移動販売をスタート。
日々京都の農家を回り、レストランやホテル、一般家庭に野菜を届けている。
毎週日曜日には町家の店舗「晴れときどき雨、のちお野菜」で販売も行う。
畑と消費地の距離が近く、人同士のつながりも強い京都ならではの土地柄を生かした流通方法を常に模索中。
 Webサイト: http://ggs-kyoto.com
 Instagram:https://instagram.com/ggs_kyoto

■お2人目のゲスト:大山貴子(株式会社fog 代表取締役)
米国ボストンサフォーク大学卒業後、ニューヨークで新聞社に就職。EdTechでの海外戦略、編集&ライティング業を経て、2014年に帰国。日本における食の安全や環境面での取り組みの必要性を感じ、100BANCH 入居プロジェクトにてフードウェイストを考える各種企画を実施。ワークショップ開発などに携わった後、19年にサーキュラーデザインファーム株式会社fogを創設。21年に東京都台東区蔵前に循環型社会を日常化させる実験拠点élabをスタート。2022年6月より武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所客員研究員。
フィガロジャパン第2回「ビジネス・ウィズ・アティチュード」アワード受賞
 Webサイト:https://fog.co.jp
 Instagram:https://www.instagram.com/elab.official_/

※2023年9月24日開催

Study食から日本を考える~えらんでゆたかに~

Comment- 勉強会を終えて -

今回は霞ヶ関ばたけは、農林水産省が進める『ニッポンフードシフト』と連携した特別な企画でした。

『ニッポンフードシフト』とは、消費者、生産者、食品関連事業者、日本の「食」を支えるあらゆる人々と行政が一体となって、考え、議論し、行動する国民運動で、霞ヶ関ばたけも言葉は違えど、同じところを目指す活動だと考えています。

そんな機会にぜひゲストとして来てほしい!と思ったのが、今回の2人でした。

京都の地元の野菜を飲食店や個人に届けるすみすみ(角谷さん)。
循環型社会を日常化させる実験拠点élabを運営するたかこちゃん。

2人は、食べることや買うことという、「日常の選択」に対して等身大であるとともに、自分たちが理想とする在り方に対して、社会への反発という形ではなく、現実的な機会や場面を提供する実践者です。

1人1人の実践の積み重ねが社会を優しく変えていく、その最初の1歩が、彼女らの周囲からじわじわと創り出されている・・・と感じる時間でした。(松尾)

角谷香織&大山貴子

八百屋Gg's/株式会社fog

霞ヶ関ばたけへのメッセージ

日々無意識になってしまっている、日々自分たちの食べたものがどこからきてどこで購入し、最終的にはどこに向かうのか(自分のお腹であったり、廃棄された後の話であったり)を意識すること。それがより良い未来に向けて踏み出す第一歩だと考えています。

それは日本にはもともとあった暮らしをもう一度見直す作業なのではないかなと、角谷さんの活動やELABのことをお話をしながら再確認した今回の霞ヶ関ばたけでした。

食べることだけではなく、その周辺との関係もあるからこそ、意識をもって選択することができる。そのための媒体者として私たちの取り組みがある。一人一人のお客さんに話すことで、旬の食べ物や季節の移り変わり、その背後にある生産者の思いを伝えることができる。

無理なくしなやかに続けていくことが大切だということを改めて認識した時間でした。(大山)

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最近、サステナブルやフードロスといった言葉が注目され、何かとても大きな変化や解決策が必要なんじゃないか、と思うことが私自身あります。

けれど落ち着いて周りを見渡すと、大小様々な規模感で、その土地や文化に合ったやり方を模索しながら、少しずつ変えていこうとしている企業や事業体が実は沢山あるように思います。

ELABの大山さんがされていることも
Gg’sの取り組みも、
そして「霞ヶ関ばたけ」の対話の時間も、
参加してくださった皆様からお聞きしたあれこれも、
模索しながらより良くしていこうとしている人間の活動の一つ。

どれか一つの方法を大きくスケールさせるよりも、
それぞれの良さをお互いが知り、またそれぞれの次の選択に繋げていく。
それが何より大事で、いちばん実現可能な行動のように思います。

とても勇気をもらった時間でした。ありがとうございました! (角谷)