岸本華果

株式会社雨風太陽 (旧:株式会社ポケットマルシェ) 

1996年生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程修了。
高校時代に途上国の貧困問題に関心を持ち、大学入学後に東南アジアの国々を訪れる中で、食と農の重要さに気づき、また、途上国の問題は先進国の消費の問題であると考えるようになる。
その後、生産と消費を近づけることが問題解決の鍵になりそうだと、フェアトレードやCSA(Community SAupported Agriculture)に興味を持つ。2020年12月より生産者と消費者をつなぐ(株)ポケットマルシェでインターンをはじめ、この春、正社員として入社。

Study食と農から「生命系の経済」を志向する

Comment- 勉強会を終えて -

岸本はるかちゃんは、自分の中に問いを持ち続け、知的探究と行動を重ねている人だ。

今日話してもらったのは、今時点ではるかちゃんに見えている世界のこと。生態系・生命系に支えられた市場経済であるにも関わらず、あまりにも市場経済が肥大化していて、今後どうする?ということ。そのヒントに、農の世界があること。そんなことを気づかせてもらった。

個人的には、広がりを重視するために「ビジネス」という手法を敢えてとっているものと、広がりにくい(生産者及び消費者の積極的関与が必要)「志向性」というものをどういう枠組みで、もしくはバランスで捉えていけるのか、ということが問いとして生まれた。

参加者からは、SDGsのウェディングケーキモデルと重なるという視点をもらったり、現場で循環事業をされている方からのリアルな視点をもらったり、いろんな角度から考えを巡らせる時間になった(松尾)。

岸本華果

株式会社雨風太陽 (旧:株式会社ポケットマルシェ)

霞ヶ関ばたけへのメッセージ

私は大学と大学院の6年間で、環境問題や貧困問題などいろんな問題を抱える現代社会がどんなふうにできあがってきたのか、どうしたら解決に向かっていけるのかということを探究し続けてきました。今回お話しした玉野井芳郎先生の「生命系の経済」という思想・哲学と、事例として取り上げた3つの取り組みは、そのひとつの答えでした。

「生命系の経済」が提唱されたのは1970年代頃ですが、最近言われるようになった「脱成長」や「ポスト資本主義」などと似たような議論が、その頃からすでになされていたことに驚きます。

市場経済がますます拡大していく中で、どのようにしてそこからはみ出す動きをつくり、生命系の経済を目指していけるのか。雨風太陽(ポケットマルシェ)で働きながら、深めて、行動にもつなげいきたいなと思っています。

いつもは参加者としていろんな学びと出会いをいただいている霞ヶ関ばたけで、今回はゲストとしてお話させていただけたこと、とてもうれしかったです。ありがとうございました!