伊東悠太郎&竹本彰吾
事業承継士/たけもと農場
■お1人目ゲスト:伊東悠太郎(事業承継士)
水稲種子農家、八代目伊東仁太郎、農業界の役に立ちたい代表
・富山県砺波市庄川町の水稲種子農家の長男として生まれる。
・JA全農に入会し、富山県本部にて、担い手対策・営農対策・園芸振興に従事。
・本所(東京)に異動し、TACの支援、農業者団体との連携等に取り組む。
・農業者団体と連携した生産資材費低減の取り組みで、JA全農会長賞第1号受賞
・「事業承継ブック(親子版、集落営農版)」を発行し、全国で講演・研修を行う。
・世代交代の際のツールとしても活用できる全農営農管理システム「Z-GIS」の開発にも携わる。
・現在は、退職し、実家で水稲種子栽培をする傍ら、全国で講演等による啓発活動、後継者塾、各県専門家派遣制度による個別支援活動や「事業承継ブック(部会版、大分県版)」「ハッピーリタイアブック」の監修、執筆活動も行う。
・著書「今日からはじめる農家の事業承継」家の光出版
https://kasumigasekibatake.jp/qw71
■お2人目ゲスト:竹本 彰吾(たけもと農場)
有限会社たけもと農場 代表取締役、アグリファンド石川 会長、全国農業青年クラブ連絡協議会 顧問
・昭和58年生。石川県出身、在住。農家の末っ子長男。
・高校3年生の時、父から受けたプレゼンを機に就農を決意。
・「就農10年で社長を替わる」という父との約束どおり、33歳で農業法人の代表に就任。
・国産イタリア米の栽培や、トヨタ自動車らとの米づくり改善事業、井関農機・鳥取大学らとの可変施肥田植え機開発に参加するなど、チャレンジ旺盛な若手農業者。
・使命は「農業をなりたい職業ナンバーワンに」
・著書「今日からはじめる農家の事業承継」家の光出版
https://okomelove.com/?pid=171165945
(2023年6月24日開催)
Studyみんなで農業界の世代交代の話をしよう〜身は一代、名は末代〜
Comment- 勉強会を終えて -
「今ある農業経営体が次の世代に引き継がれるには?」という命題を考えるとき、今回の霞ヶ関ばたけで取り上げた「事業承継」というテーマに行き着く。
もともとその中で、わたしの関心は「どのくらい儲かっていれば、次世代に引き継がれるのか」ということだったが、伊東さん、竹本さんからは「金銭的な問題は当然のことだけれど、それだけで事業は承継されず、むしろ経営意識の共有といった目には見えにくい部分での合意ができるかが鍵」という話に「そうなのか…まだまだ先は長い…。」と思うとともに、大きな学びを得た。
また、事業承継においても、霞ヶ関ばたけで大切にしている「対話」が重要で、そのスタートは「きっかけをどうつくるか」ということだそうだ。
簡単そうで難しそうでもあるこの対話のきっかけだけれども「賞味期限は2週間」という伊東さんからのパワーワードが背中を押してくれる。今回の場が誰かの1歩を踏み出す機会になっていたらこの上なく嬉しい。(松尾)
伊東悠太郎&竹本彰吾
事業承継士/たけもと農場
霞ヶ関ばたけへのメッセージ
僕がずっと提唱している「対話型事業承継」という概念。自己だけでなく他者との対話を繰り返す中で、農業者は自らの事業承継に対する考えを整理していくことが出来る。支援者は、事業承継の真の課題は何なのか、どういう支援が必要か、求められているのかということが見えてくる。
こんな対話を行う「きっかけ」というのは日常であるように見えるけれど、実はほとんどありません。事業承継が進まない大きな要因は、制度や体制、仕組みの問題ではなく、実は単に「きっかけがない」ということだろうと思っています。裏を返せば、「きっかけがあれば進む」ということです。今回の霞ヶ関ばたけは、まさにそのきっかけの一つになる素敵な空間でした。
ダブル登壇の竹本さんと僕は全国各地で事業承継の旗を振る活動をしていますが、僕らが目立ち続ける農業界を望んではいません。参加者の皆さんがまたそれぞれの地域、立場で、そのきっかけを創る役割を担って頂き、もっともっと色々な価値観で多様な事業承継の取り組みが出てくることを切に願っています。
(伊東)
2019年11月に引き続き、2度目の登壇でした。お声がけありがとうございました。
前回のタイトルは「農業をなりたい職業ナンバーワンに」これは4Hクラブの会長になった際に掲げた使命だったのですが、今回のテーマの「農家の事業承継」と密接な関係なんです。ボクにとっては。
承継がされない新規就農ばかりの職業像は、発展性に乏しいし、農業の価値を高める、あるいは高さを認識してもらうことで、後継者が必然とついてくる、そういう両輪なのだと。
ボクや伊東くんは「ミスター事業承継」という立ち位置に突き進んでいますが、ボクらの目的はミスター事業承継になることではなく、事業承継が社会課題にならない未来。その未来に向かうには、2人のミスター事業承継だけでは到達できません。「私は事業承継とは関係薄いな」と決めつけず、誰もが事業承継を進められる一人になることを願っています。
(竹本)