
小倉千沙
株式会社メロス
代表取締役
グローバルで持続可能な食農のサプライチェーンの創出を支えるべく、食や農、海洋にかかわるビジネスの成長と新しい挑戦を支援する(株)メロスを、3 人の日米欧のメンバーと共に、2016年に創業。これまで 20 年以上にわたり、国内外の農水産物貿易・ 政策、投資・ 市場開発の調査やアドバイザリーに従事。農林水産省の食農産業のESG 投資に関する検討委員などを務める。東京大学にて農業経済学の修士号を取得。 水田に囲まれた福井県で育つ。人と環境、社会と経済の複雑で有機的な関係に深く魅せられており、それが毎日の食卓と生活に与える影響に関心を寄せている。
Studyシン・タンパク質〜日本フードテックの現在と未来〜






Comment- 勉強会を終えて -
人間の生命に不可欠なタンパク質。世界的な人口増加と環境問題を背景に、今後、既存の生産方式では必要量が賄いきれないと言われています。
この問題の解決策となりうるシン・タンパク質。
小倉さんから、微生物や植物、遺伝子操作などを用いてタンパク質を作る技術が開発されてきていることを学び、将来の食の選択肢として非常に有効だと感じました。また、参加者同士で対話することで、私たちは新しい技術をどう受け入れていくべきか考えることができました。
まずは、シン・タンパク質を「怖い」「不自然」と思うのではなく、どのような背景で開発されているのか、どのような技術で作られているのか、しっかり認識していくことが重要だと思いました。
霞ヶ関ばたけ 徳田
霞ヶ関ばたけへのメッセージ
今回は、「シン・タンパク質」をテーマに、タンパク質危機の背景からはじまり、細胞培養、精密発酵、バイオマス発酵、ガス発酵の世界を紹介させて頂きました。私としては、その後の参加者間の議論に興味がありました。消費者にどう受け入れられるのか、というのが、もちろんこの分野重要なテーマなので。食べてみたいのか、なんとなく嫌だな、という気分になるのか。その点、各テーブルでかなり意見を掘り下げて議論していただきましたね!
それに加えて、「自給率の向上に役立つのか」という質問が多かったのが面白かったです。もちろん、細胞や微生物の培養には、栄養分の供給やエネルギーが必要なので、今のところ大規模に展開するフェーズでは海外生産が有利に思えます。が、もちろんここまで膨張した人口と豊かな食生活を、国内農地だけで賄うことはできない現状を踏まえると、シン・タンパク質含め、どうやって海外と持続可能な連携を築くのか、というのは引き続き重要テーマだなと認識しました。
改めて、今回、霞が関ばたけの講師としてご招待いただいたこと、たいへん感謝しています!自分自身の興味関心に立って、これだけ意欲のある素晴らしい参加者の方々に、土曜日の早朝から集まっていただけたことが、まずは嬉しい思いですし、運営もスムーズで惚れ惚れします。わたし自身の仕事の原動力を見つめなおす機会にもなったな、と感じています。有難うございました!